北大東行

一泊二日の北大東小旅行。子供のころ久米島行きの南西航空いらいの久々のプロレラ機。科学が苦手な自分にとってこんな風車の推進力だけで鉄の塊が空に飛ぶことがはなはだ不思議。飛行機に文字どおり揺られること一時間。PM4:00に空港着。宿泊施設ハマユウ壮の車に迎えに来てもらい、そのまま施設のレンタカーで島内探索。ちなみに島の宿泊施設はここと民宿の2箇所しかないとのことだが、最近できたようで建物は小奇麗で意外と(失礼)立派だった。施設のとなりにはこれまた以外ほど立派な民俗資料館があったが、既にしまっている模様。施設のかたに確認してみると、どうも資料館もこのはまゆう壮の職員が管理しているようで、明朝9時に見せてもらう約束をする。
まずは村の中心地らしきところのJAで買出し。学校や役場もここに集まっている模様。北大東島は島内の中心は長幕とよばれる原生林に囲まれていて、この中心地もまるで盆地の中にあるような形になっている。しかしドライブして感じるのは、赤瓦こそ無いけど印象はウージ畑が広がる沖縄の南部とかの田舎道。100年前入植されるまでは無人島だった大東諸島、その際八丈島からの入植者も多く、より本土寄りの風土が残っていると聞き、その違いを見ようと楽しみにしていたのだけど、基本はやっぱ沖縄だなあ…。正直ちょっと失望しかけていたけど、最初の目的地西港に到着するにあたり、いきなりの光景にまさに度胆を抜くことになってしまいました。
先述のように100年前の入植から人の歴史が始まった大東島。先に入植のあった大東島がサトウキビ栽培が中心だったのに対し、燐鉱が発見された北大東島では、第一次大戦等歴史的背景を受け燐鉱事業の島として隆盛を誇り、閉山した今でもその施設の跡がひっそりとその当時を偲ばせている…。その廃墟を見てみたいというのが今回の目的の一つではあったのですが、その目的が標識も目印もなくいきなりドライブ中の道路のそばに広がってきました。うわ、スゴ、なにこれ!!

驚くのもつかのま、こんどはそのまま海に落ちてしまうんじゃないかと一瞬ハンドルを持つ手が震えたほど切立った西港が眼下に!!
断崖絶壁にかこまれた大東島は、船が直接接岸できず、その為人や荷物の荷卸しはクレーンで行われる。有名な話ですが飛行機で来たためいまいち実感できなかったけど、実物を見て納得です。ちなみに港の高さはこれくらい。
この日はこの高さを超えかねないほど物凄い波しぶきが立ち上がっていました。う〜ん、これが大東島…。
さらに驚くべきは燐鉱石の廃墟(燐鉱石貯蔵庫跡)を頭に頂く白亜の石灰岩の大地。おなじく真白な廃墟とあわせてなんとも形容しがたい雰囲気をかもし出しています。
その港の上にある国票公園でカメラを落としたり直したりとひと悶着あった後、西港上の集落へ。商店がありその隣に食堂らしきものがあったのだが、どうやら民宿の食堂らしく食事はできなかった。残念。そのあと、集落内の玉置半右衛門の碑、金刀比羅宮を見学。金刀比羅宮のドラゴンフルーツで囲まれた参道がとても印象的だった。実が生っているときは圧巻な眺めだろうな。沖縄本島にも神社はあるし、離島にいけば御嶽に鳥居をみることができるが、やはりなんだか変わった感じ。まあ、沖縄は神社はあるにはあるが当然のように赤瓦だったりするので小さいとはいえノーマルな神社はやはりめずらしい。榊が木にくくりつけられてたりするけどやっぱ意味とかあるのだろうか。
その後北港に向かうも工事中で入れずきた道をもどり上陸公園、そして江崎港へ。その間の景色がホントに圧巻。貯蔵庫以外の燐鉱石関連の施設であったであろう数々の廃屋。先ほどまでの白亜の石灰岩とは対照的な黒く絶望的な岩肌が延々と続く切立った海岸線。こんな圧倒的な大地に降り立ったとき、絶望ではなく希望を見出すのがフロンティアスピリッツなんだろうなとただただ敬服。おっちゃんな自分にとっては上陸公園の階段を上がるだけでも一苦労だった…。


その後、秋葉神社を経て空港まで来たところで、暗くなり夕飯の時間も迫っていたのではまゆう壮に戻る。なんか日が暮れるのが早い感じ。そうなんだよな、ここは沖縄の最東端なんだよなと改めて実感。

夕食は宿泊料金に含まれているメニューで、大東寿司、そば、ジャガイモ料理、魚料理ととりあえず大東島で期待するもの全部要りの超満足な内容だった。っていうかうまい、ほんとにおいしい!!そばは、なぜか大東そばとは明記されていなかったけど、そば音痴の自分にも、独特のだし(魚汁?)はそうとう美味しく感じたし、なによりも大東寿司!!ボリューム、甘酢漬けされたネタの美味しさ共に感涙もので、腹いっぱいになったにもかかわらずもうひとつ注文してしまった。
夕食、風呂の後夜の島内を散策。はまゆう壮の真後ろが黄金山という島内で一番高い所になっていて、そこにたつ灯台の明かりが良い目印になっていて、夜のドライブも迷わずに済んだ。その灯台を目指したものの結局たどり着けず。あまり期待はしていなかったがダイトウオオコウモリにもであえなかった。残念。










ちなみに下は夜の燐鉱石貯蔵庫跡。最初デジカメの小画面で見たときにはあまりに鮮明に人の顔が映っていて思わず血の気が引いちゃったんだけどこうやって拡大してみると…。う〜ん、デジタルって意地悪。