ダークナイト カタルシスなき三度目の傑作

上記の三度目とは、『バットマンリターンズ』『バットマンビギンズ』に並べられるバットマン映画の傑作であるということ。しかし傑作であるのはくどうようだけどあくまでバットマンの映画として。まかりまちがって最近増えたヒーロー映画と思ってみてしまうと、すごい大金と手間とかけ、そして練り上げられたプロットを通して一つ一つ爽快感やカタルシスをつぶされていく最悪の展開にひっくりかえってしまっていたと思う。(っていうか正直ひっくりかえった。)おもえばバットマンはアメコミでは少数派の生身の人間。そんなバットマンの存在意義は、たとえどんな超人的、絶対的な力をもっていても決して倒すことのできない悪の層、というものがあるから。簡単にいえばスーパーマン(まあ本作ではハービィ.デントだったわけだけど)では絶対倒せない悪がバットマンの世界にはいるということ。そして今回、バットマンが生身の人間の極限の存在として描かれることに対峙するかのように、描かれる悪も人としてなしうる最悪の悪とはなにかの命題に挑むかのような本当に最悪なビラン(悪役)を見るものに、そう、バットマンだけでなくみているこちらににさえ叩き付けてきている。

ああ、ねむいので続きは明日…。