鉄人28号 第十五回『フランケンの弟子たち』第十六回『京都燃ゆ』

 忙しさにかまけて積んでしまっていた鉄人のDVDをようやく鑑賞。
いい年こいてアニメに肩入れさせられているだけあって、この平成鉄人には総じて不満はないのですが、回を重ねるごとに弱まっていく鉄人の姿にはさすがにへこんでしまいます。  
 思えば、近所のツタヤやゲオではどこでもレンタルされる気配もなく、でもタイムスリップグリコで盛り上がった鉄人熱はとうてい抑えることができず、えいやと勢いで買ってしまったDVD第一巻(一巻目は安かったしね…)。 そこで僕を捕らえたのは、沸々と込み上げる静かな狂気により敷島節*1が奏でられる中、(そこいらのビームやら刀やらを振り回す他のロボットでは感じることが適わなかった)圧倒的な強さと破壊力を見せ付けてくれた鉄人の勇姿だったはずでした。それなのに… 「どうにも動きが速すぎて」じゃないよ正太郎くん!!
 というわけで、いままでに輪をかけてヨワヨワな鉄人。たしかにVL2号は原作では最強ロボ扱いで、登場した際の鉄人の苦戦は予想してはいました。ただ、原作では、製作者(っていうかマッドサイエンティスト)が絡んでこないため強さに説得力画画が無く、いまいち好きになれませんでした。この再アニメ化の中でも、多分出てくるとは思うけどこいつがラスボスだったらやだなあとか漠然とか考えてました。しかし今回に関しては、説得力もくそも在りません。理不尽に蹂躙される鉄人の姿に釈然としないものを感じながらも、ただただその展開に引きずり込まれてしまいました。(思えばその時ぼくは、モニターの前で正座してみいってました。このアニメでは、対27号戦、モンスター編のラスト以来です。) 原作では、犯罪者や秘密結社が暴れる話よりマッドサイエンティストが活躍する話に面白いのが多かったように思いますが、このアニメ版はほんと科学者の博覧会の様な層を呈しています(そういう意味でも今回の梅子はお見事と思います)。ステレオタイプ的な高笑いに隠れた彼ら業の深さに惹かれてしまうあまり、鉄人のだめっぷりに業を煮やしながらも今月も新巻に手をだしてしまうことでしょう。
 ※とはいうものの、今回(も?)美味しい所をかっさらっていったのはやはり敷島博士でした。敷島節炸裂の時といい、モンスター編でどさくさにまぎれて証拠隠滅はかった時といい、彼がなんかやらかす度に、みていてなんだかドキドキしてしまいます。ええ、ドキドキしてしまいますとも。他の科学者が自分の業と対峙して身を滅ぼしていく中、かれにはどんな結末がまっているんだろう・

*1:どんな攻撃にも耐えうる鉄の鎧に身を固め! 図り知れぬ力で居並ぶ敵を叩いて、砕く!決して倒れることもなく、死ぬこともなく、ただひたすら操縦者の意のままに戦い続ける不死身の兵士!海であろうが、空であろうが、戦う場所を選ばない。それが、それが勝利することのみを目的とした完全なる兵器、鉄人28号!!って言う件