「感想」『いぬのえいが』犬好きの方にというより映画館で泣きたい方に。※ネタばれ少々

 同じ職場の動物好きの人にこの映画の事を紹介したら、意外な拒否反応を示されました。その人が言うに、こういう映画ってかならず動物が死ぬとこだすから、そういう場面は見たくないとの事。聞いたその場では、成る程鋭いなぁとは感じましたが、映画見終わった後となってはその一言が物凄い慧眼に思えて仕方ありませんでした。コメディパートがチープな分だけ、泣かせるパートでの涙腺への攻撃があまりに執拗かつ的確に感じられ、撃沈されながらもなんともいえぬ嫌悪感を終始抱いてしまってました。とはいっても露骨っていうか下手糞なお涙頂戴物だった訳ではなく、静かな展開ながらも丁寧に作られて居たとは思います。犬(っていうかペットとしての犬)への愛情もあって、犬好きが作った映画とは思いますが、犬好きに見せる映画としては正直どうだろう。上手く出来てると思えるだけに、(生死の問題がペットを語る上で避けられないテーマであることは重々承知ながらも)もっと別な、犬好きが安心(?)してみられるアプローチはなかったのかと少し残念に思います。今思えば、この映画をスルーしたペット好きの判断は正しかったかのかも...。